医師の性別、生年月、医籍登録年月
どのような診療科を選び、どのような進路
1994~2016年のデータで分かれたのかを選びました。
外科と内科
性別で見ると、女性が少ない診療科もあります。
外科系も40歳未満の女性比率も上がりつつあります。
一方、もともと女性比率が高い診療科では40歳未満の女性では、
産婦人科や麻酔科では半数以上が女性になっています。
40歳以上の女性が男性比率では最初に選んだ診療科を維持している割合は小さく、
女性比率が高い診療科では仕事が続けられる割合は高く維持できています。
男性比率が高い職場であると、男医に比べて、女医は別の診療科に移っているといえます。
特に泌尿器科では女性は継続をあまり維持できていないというデータがあります。
女性比率が高い職場では、男女差はありません。
一方で10年後の世代では、最初に選んだ診療科を比較的維持できています。
専門医資格の男女差
「それぞれの診療科における適切な教育を受けて、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」を認定(日本専門医機構2014)
キャリア形成の初期段階で専門医の資格を受けるときは「基本領域の専門医」資格、
さらにキャリア形成中堅段階の「サブスペシャルティ領域の専門医」資格があります。
この場合、たとえば最初に産婦人科専門医資格をとって、
婦人科腫癌専門医などをとった男女差や、
外科専門医をとった人がサブスペシャルティ領域でどれをとるのか、
見ていきましょう。
- 初職診療科
専門医の男女差を見ていきましょう。
外科の場合、初職診療維持は
女性は78%で4%低くなっています。
以下、
ほとんどの女性の方が基本領域の初職専門医も低く、
初職以外の専門医資格も低く、
サブスペシャルティ専門医の資格も低く、取得できていない現状があります。
女性比率が高い職場でも
サブスペシャルティ専門医の資格をもつ女性の割合が低くなっています。
という考察が得られます。
2004年新臨床研修制度
研修医は自由に研修病院を選択でき、
スーパーローテート研修が始まりました。
つまり、男性比率の高い職場や外科なども研修の時、
経験できるようになりました。
やりたい診療が女医も選択できているのか、
見ていきましょう。
2004年以降は、女性も外科医の割合が増えてきています。
まぁ、女性医師の絶対数が少ないため、差が3%だと小さく感じられる可能性もありますが、
外科を新研修制度で3%の差が男女差は縮まりました。
内科を選ぶ、女性医師が減って、女性外科医を選ぶ人が増えました。
サブスペシャルティ専門医
では、スーパーローテート研修導入後の
サブスペシャルティ専門医の資格を見ていきましょう。
なんと9%も縮まっています。
外科を選ぶ女性医師も増えました。
今後の課題は、
女性医師へのキャリア形成初期段階から中堅段階に至るまでの支援、
男性比率の高い外科系診療科(整形外科、脳神経外科)にある男女差
出典
臼井 恵美子 一橋大学 経済研究所 教授
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