高校生物と経済学
高校生物の教師は、血液循環やホルモン循環などで、
体の臓器の部分がどのように働くのかを教える

たとえば、フィードバック調節では、
ホルモンが出すぎた他のホルモンを抑制したり、
抑制したホルモンが他のホルモンを促進したりします。
このようなリアリズムは体内だけではなく、
自分以外の組織でも行われています。
経済学者と循環
物理学者は、まず摩擦を観察しました。
経済学者も今取り組んでいる部分と無関係な細部を観察します。
物理学であれ、生物学であれ、経済学であれ、
物事をシンプル化することで現実への理解を深めます。
フロー循環
経済とは、
- 購入
- 販売
- 労働
- 雇用
- 製造
などといった多様な活動に参加する多くの人々によって成り立っています。
経済のシステムを理解するには、
こうした活動の参加者の思考を単純化しなくてはなりません。
つまり、
経済の参加者がお互いにどう影響しあうのか見なければなりません。

生物学には、
生産者(Producer)と
消費者(Consumer)と、
分解者(Decomposer)がありましたね。
経済学にも、
生産と消費の概念があります。
経済学を生物学的に言うと、
世界には企業という生物と家計という生物の2種類がいて、
企業は家庭を食べ、家計は企業を食べるという
相互共生であり、お互いに寄生している関係と言えるでしょう。

企業という生物
企業は、
労働力、土地、資本力といった様々な投入物を扱うことで、
家計に対して財・サービスを提供します。
生産をするのに投入する労働力などの投入物を生産要素といいます。
家計という生物
家計は。
サラリーマンや知識、株式など生産要素を所有し、
企業の生産する財・サービスなどをすべて消費します。
財・サービス市場
家計と企業は二種類の市場(職場)において相互に関わり合います。
財・サービス市場では、
家計が買い手で、企業が売り手です。
より具体的にいえば、
企業が生産した財・サービスを家計が購入する。
生産要素市場
生産要素市場(工場)では、
家計が売り手、企業が買い手です。
家計は、財・サービスの生産にわたって、
使用する投入物を提供します。
家計と企業の相互関係
企業と家計には2つの循環が存在します。
内側の矢印
家計が企業に対して、労働力や資本、土地の使用権を販売します。
つまり、サラリーマンはレンタル業なんですね。
株式を家計がレンタルするのもお金を貸しているのです。
企業は家計からレンタルしたものにより、
財・サービスを生産しました。
で、財・サービス市場で家計に対して販売します。
つまり、企業は家計からレンタルしているのに、
家計は企業から直接購入しているのです。
なので、企業の方がお金持ちになりやすいです。
外側の矢印
外側の矢印はお金の流れです。
家計は財・サービスを購入するために、
お金を企業に支払います。
企業はそれらの一部を、
家計にレンタル料金を支払います。
あとに残ったものが企業の利潤です。
ちなみに企業を所有している社長も
家計になります。
例題:スタバを例に
では具体的に見ていきましょう。
たとえば、
あなたがコーヒーショップで、
1杯1000円のコーヒーを買ったとしましょう。
ちなみに1000円均一のコーヒーです。
つまり、財・サービス市場で
家計であるあなたがコーヒー1杯1000円をスタバに支払いました。
その対価としてブランドコーヒーを頂く。
1000円の紙幣がコーヒーショップのレジに入った後を追ってみましょう。
1000円は企業の売上になりました。
しかし、コーヒーショップの1000円札はいつまでもレジにある訳ではありません。
企業は紙幣を使って、
生産要素市場で投入物を購入するからです。
スタバでたとえると、
店舗の土地の所有者へのレンタル料金や、
従業員へのレンタル料金などに当てます。
誰かの支出は誰かの収入になるという訳ですよ。
家計も企業も。
例外もたくさん
コーヒーショップはたとえば伝説のコーヒー豆の生産地などへの支払いにもあてますね。
伝説のコーヒー豆がブラジル産で、スタバがアメリカ合衆国にある場合、
政府間貿易が発生しています。
つまり、税金の概念が省略されたり、原材料費などは省略されています。
しかし、
経済の基本を知るためにはそのような例外を知る必要はありません。
単純な学習はシンプルこそベストです。
経済を単純化する分にはいいのです。
コメント